わっちのコンサルブログ~難しいことを簡単に

コンサルタント稼業のわっちが、経済やビジネスに関するトピックについて語り、時に問題提起します。週に1、2回の更新を目指します。

お金の話は「はしたない」?~学校で、家庭でもっとお金の話をしよう~

 

ここ数年、現在および将来のお金への不安が高まり、メディアもお金をテーマにしたニュースや記事をたくさん出しています。(ちょっと煽り気味ですが・・・)

一方、お金をめぐる失敗に苦しむ若者も散見されます。クレジットカードの使い過ぎや、実質的にローンである奨学金を返せなくなるケース。あるいは投資系の詐欺まがいの事件もあるようです。なので、若いうちからお金の教育をすることがとても大事になっています。

 

ですが、若い世代へのお金の教育は、実際は今一つ広がっていないように思います。

 

教える先生がいない、今の先生がお金のことを知らないなど、色々な理由が挙げられますが、実は、お金の話題を「はしたない」と考える価値観が根強いのが大きな理由の1つだと筆者は思います。つまり、学校でも家庭でも、お金の話題をすることが憚られる感覚が残っていて、そのことが、お金のことを学んだり話し合ったりする機会の妨げになっているように思うわけです。

 

そんな中、先日テレビを見ていて、某国民的ボードゲームの開発者は、50年ほど前、会社の上司や周囲に大反対されつつも押し切って発売したという話を聞きました。また、10年ほど前ですが、某ファンドが株を買い占め、そのファンドの経営者が「金儲けして何が悪いんですか」といった発言もあって社会問題になったことを思い出しました。

これを振り返ると、50年前も15年前も、その時の世論(というかメディアの論調かもしれません)は、金儲けにはネガティブな価値観があると思います。もっといえば、お金の話をすること自体にネガティブな感覚があるというのは変わらないなと思います。

 

でも、これってよく考えると、大事なことに蓋をするというか、見ないふりをすることにつながっていると思います。

 

どうしてこういう価値観が根付いているのか?これは筆者の想像ですが、お金のことを考えさせないことが、世の中を治める人達にとって便利だったからではないかと思います。

つまり、「お金のことや政治のことなんて考えずに、自分の生まれた村で田畑を耕して年貢を納めればよいのだ」ということですね。お金を持つことで余裕ができたり力(パワー)を持つ人が出たりすると、為政者にとっては自分の座が危うくなるリスクが生じるわけですから、そうさせないような価値観を植え付けたということかなと思います。

 

しかし時代は変わり、どこに住んでどう働くか、どう生きるかを自分で考えることが求められる時代になりました。こうした時代に、自分の身を守り、自分の人生を豊かにするには、お金の話に蓋をしないで考えたり話し合ったりしたほうが良いはずです。

わかりやすい教育ツールの開発や教員の育成ももちろん重要ですが、この価値観を変えていくことも非常に重要ではないかと思いました。

 

ではまた。