日本の将来の人口~具体的イメージから未来の社会を考える
政府は将来の人口の長期予測を公表していて、年金を始め各種の政策決定に役立てています。この中味を改めて確認したいと思います。
政府予測では、出生率と死亡率についてそれぞれ3つずつの前提を置いていますが、ここで見るのは死亡率がメインシナリオのもののみとし、特に影響が大きい出生率について3つのシナリオの違いも含めて確認します。
詳細は下のほうに記載した通りですが、ポイントをまとめると以下の通りです。
・40年後の人口は1億を下回り、現在の7割~8割程度になる。
・65歳以上人口が全体の35~40%を占める(現在は26%ほどなので10%ポイントの増加)
・労働力人口のコアである15~64歳は現在の60%から50%近くまで低下。人数で言えば7500万人から5000万人を下回る規模、つまり現在の3分の2に減少。
ということは、今後に向けて以下の対応が重要ということですね。
・働く人が減るので、更なる機械化が必要(なので、ロボットに人間の仕事が奪われるという批判は少し的外れ)
・一方で高齢者の増加は介護等の要員の需要増を生むので、ここをどれだけロボット化できるかが重要。もちろんロボットが出来ないことは人間が対応するので人手の確保も必要
・子供の減少で、教育産業は大人への教育へのシフトが必要
以上、どこかで既に聞いた話も多々あるかと思いますが、これらは今日ご紹介した人口推計のような具体的な根拠データに基づいているということを理解頂ければと思います。
こうしたデータから、未来の社会が、漠然としたイメージではなく、具体的な姿で把握できるわけです。
これらデータを使って未来の社会の様子を考えてみることもなかなか面白いですし、ビジネスをやりたい人や政治をやりたい人は特にこういう取り組みをする意義が大きいと思います。
出所
http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/db_zenkoku2017/db_zenkoku2017gaiyo.html